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3月23日 再任用不合格の撤回を求める要請書を提出

2017.04.04

 府高教は、卒業式での不起立を理由にした再任用不合格決定の撤回と、思想・良心の自由の保障を求め、以下の内容で、府教育委員会への要請を行いました。

 

【要請内容】
 府教委は2月17日、2017年度再任用希望者の合否決定にあたって、府立かわちの高校教諭 岩谷智志 氏を不合格としました。これについて府教委は、「総合的な判断」と説明しています。しかし、岩谷氏は、2011年度卒業式において「国歌斉唱時の起立斉唱」に関する職務命令に従わなかったとして戒告処分を受け、その後も「今後、入学式や卒業式等における国歌斉唱時の起立斉唱を含む上司の命令に従う」との確認文書の提出を拒んでおり、今回の不合格決定がこれを理由にしたものであるのは明らかです。
 そもそも国旗国歌に対する態度は、個人の思想・信条に属する問題であり、職務命令をもって「起立斉唱」を強制し、従わない者を処分することは、憲法第19条に保障された「思想・良心の自由」を侵すものです。「強制するものではない」との、国旗国歌法制定時の趣旨にも反しています。この間の最高裁判決に付された意見にも示されているように、当該教職員の行為は、自らの歴史観や世界観、それに由来する教育上の信念に基づくものであり、それを理由に不利益処分を行うなどは、本来あってはならないことです。とりわけ再任用制度は、年金支給年齢の引き上げに伴って導入された、高齢職員の生活保障のための制度であり、合理的な理由なく不合格とすることは許されません。
 以上のことから、今回の不当決定に強く抗議し、下記について要請します。

1.岩谷智志氏に対する「再任用不合格」の決定を撤回し、再雇用を行うこと。
2.「入学式、卒業式等における国歌斉唱時の起立斉唱」の強制をやめ、憲法第19条に`基づく思想・良心の自由を保障すること。

以上