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(声明)吉村知事は『めぐみ』押しつけ発言を撤回せよ、学校の教育課程編成権への政治介入をゆるすな

2021.10.12

府高教は10月12日、以下の声明を公表しました。

 

吉村知事の『めぐみ』押しつけ発言に抗議する
学校の教育課程編成権への政治介入やめよ

 

 大阪府議会は10月11日、「北朝鮮による日本人拉致問題に対する理解を深めるための取組みを推進する決議」を、維新、自民、公明、国民、自堺の賛成多数で可決しました(共産は反対、民主は棄権)。

決議は、府議会として「一日も早い拉致被害者全員の救出に向けて、アニメ『めぐみ』の上映、『拉致被害者御家族ビデオメッセージ~必ず取り戻す!愛する家族へ~』、拉致問題啓発舞台劇公演『めぐみへの誓い-奪還-』及び映画『めぐみへの誓い』の視聴や、『北朝鮮人権侵害問題啓発週間作文コンクール』への参加、拉致問題関連書籍を読むこと等を通じて拉致問題を知り、北朝鮮による日本人拉致問題に対する理解を深めるための取組みを推進する」としています。

これについて吉村知事は、同日の記者会見で、「府立学校では『めぐみ』の上映を徹底させる」と述べたと報じられていますが、これは、教育への不当な介入であり、断じて容認できません。

北朝鮮による拉致問題は、解決が求められる重要な問題であり、それを学校教育の場で取り上げることは十分あり得ることです。府立高校では、これまでも社会科の授業などを通じて、この問題を含むさまざまな社会問題についての教育実践が旺盛にとりくまれてきました。

しかし、そうした場合に、どのような教材を用い、いつどのように取り上げるのかは、学校の教育課程編成権に属する問題であり、やる、やらないも含めて学校が判断することです。生徒の年齢・発達段階や学校の状況、教科の指導計画などを無視して、特定の教材の使用を一律に押しつけるなどは、あってはなりません。

そもそも「教育課程編成権は学校にある」という戦後教育の大原則は、戦前の教育制度のもと、政府が教育内容を統制・支配し、軍国主義教育によって子どもたちを侵略戦争へと駆り立てた、痛苦の歴史への反省の上に確立されたものです。知事などの行政が、特定の教材の上映を「徹底させる」などは、これを侵すものであり、教育基本法が禁じる「不当な支配」に他なりません。

府立高校では、すでにこの間に、府教委によって『めぐみ』視聴の事実上の押しつけが横行しており、現場では矛盾と混乱が広がっています。今回の府議会決議を契機に、さらに押しつけを強めるなどは絶対にあってはならないことです。

府高教は、教育への政治介入、特定教材の押しつけに断固として反対し、学問の自由、教育の自主性を守るために、引き続き全力をあげます。

 

2021年10月12日
大阪府立高等学校教職員組合

 

声明文(PDF)

府高教ニュース速報No.3