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12月8日 大阪の高校を守る会が声明を発表

2021.12.09

大阪の高校を守る会は、12月8日の教育委員会会議を受けて、以下の声明を発表しました。

 

地域の学校をなくし、子どもたちの学ぶ権利を奪う
島本高校・茨田高校・泉鳥取高校の募集停止決定に抗議する(声明)

 

 大阪府教育委員会は、12月8日に開催された教育委員会会議で、8月30日に案として公表した「大阪府立学校条例及び大阪府立高等学校・大阪市立高等学校再編整備計画に基づく令和3年度実施対象校」を正式決定しました。その内容は、島本高校、茨田高校、泉鳥取高校の3つの府立高校を、「3年連続して志願者が定員に満たない」などを理由に2023年度から募集停止し廃校にするというものです。これは、地域の学校をなくし、子どもたちの学ぶ権利を奪う、道理のない高校つぶしであり、断じて容認できません。不当な決定に厳重に抗議し、あらためて3校の存続と府立学校条例・再編整備計画の抜本的見直しを強く求めます。
 決定は、以下の点から極めて大きな問題点を持つものです。
 第1に、子どもたちの学ぶ権利を保障するために設置されている公立高校の定員にはゆとりがあって当たり前であり、「志願者が定員に満たない」ことは廃校の理由になりません。不合格者を出し続けなければ学校をつぶすなどという施策は道理がありません。
 第2に、再編整備計画は少子化を理由に高校を減らす必要があるとしていますが、その試算の前提は「40人学級」「1学年6学級以上」であり、全国や世界に比べて過密・過大です。少子化にも関わらず、学校を減らし将来にわたって教育条件改善に背を向ける姿勢は府民の願いに反します。
 第3に、対象となった3校は、「地域の学校」として重要な役割を果たしており、なくしてしまえば地域の子どもたちの学ぶ権利が侵害されます。すべての子どもたちに、通学時間や通学費の心配なく通える近くの高校で学ぶ機会を保障することこそ、大阪府の果たすべき役割です。
 大阪の高校を守る会は、廃校案の発表以来、対象校の地域や卒業生、保護者等と協力しながら、撤回を求める署名の集約にとりくみ、12月6日、その時点で集約された1万2904名分を府教委に提出しました。署名は、その後も寄せられています。
 また、泉鳥取高校の所在市である阪南市では、私立も含めて市内唯一の高校を存続してほしいと、市長が7月、11 月と2度にわたって要望書を提出、市議会が意見書を決議し提出、同窓会や地元選出の府議会議員からも要望書が提出されるなど、地域をあげた反対の声が示されました。
 府教委は、「様々な意見を聞いて決定する」としていましたが、こうした府民、住民の反対意見をまったく無視し、決定が強行されたことは不当極まりありません。
 大阪の高校を守る会は、不当決定の撤回と3校の存続、府立学校条例・再編整備計画の抜本的見直しを求め、2月府議会への請願行動に、引き続き全力をあげます。

2021年12月8日 大阪の高校を守る会